1口ごとにギフト券をもらえるキャンペーンが突然始まった

前回、みんな大家さんに1000万入れてから年間70万円の配当生活がはじまったが、お金をもっと入れないと損する、機会損失だという声が頭の中に響くようになった。もはや、何か最後の一押しとなるものを求めてさまよっている状態であった。

そんな時に始まったキャンペーン。1口100万円を投資するごとにギフトカード18000円分をプレゼントするというもの。投資して配当をがっぽりもらってうえで、さらに18000円分のギフトカードをもらえるだって!気づいたらオルカンを1000万円ほど解約し、それをみんな大家さんにつぎ込んでいた。これで投資額は2000万円になった。そしてそれと引き換え委に3500万あったオルカンは気づいたら1500万程度になっていた。しかし、後悔はない。これで夢の配当生活がまた一歩近づいたからだ。

そしてしばらくの時がすぎ、ギフトカード18万円分が届いた。みんな知ってるかい?このくらいの単位になると箱にはいって届くんだ。これを知っている人は世のかなでも少ないだろう。自分が一握りの勝ち組に這い上がっていくのを実感した。

例によって家族がもうそのくらいにしときなさいとかうるさかったからギフトカードを半分の9万円分ほどプレゼントした。このくらい稼いでるからへっちゃらだよといった。さすがに相手もびっくりしたのか、何も言わなくなった。

それから始まるキャンペーンラッシュ

実際にキャンペーンギフトカードも問題なく届いたし、ここ1年くらいは配当もきちんと支払われている。私はみんな大家さんは何をやっているのかは正直わからないけど、なんやかんやで稼いでいるから配当払えるのだろうし、ギフトカード配れるくらい余裕があるということで信用できると強く感じていた。

次に始まったのが会員制度。出資した口数に応じ、ブロンズ会員、シルバー会員、ゴールド会員とランク分けされる。そして会員ランクに応じて1口購入時のギルトカードが追加されるというものだ。いっぱい投資をすればするほど得をするという魔法のシステムだ。これを考えて人は神様か。今のランクを確認するとシルバーランクか。ギフトは2000円追加だが、3000万円にゴールドランクになると3000円追加となる。どうせ、いずれは投資するのだから前倒しして今投資すればもっとお得なのか。気づいたときにはさらにオルカンを解約し、1000万を追加していた。これで投資額は3000万になった。届いたギフトだけで21万となった。なにより、私にはシルバーなんかよりゴールドのほうがふさわしいし、大量のギフト券の入った箱を受け取るときに、自分は選ばれたエリートの1人であることを強く感じた。

次に始まったのが友人紹介キャンペーン。知り合いを紹介すると、紹介者に1万円分のギフトカードがもらえるというもの。みんな大家さんは信頼できる投資先だし、私自身毎月配当をもらい、さらにギルトカードもちゃんと届いている。というわけで家族に紹介した。こんなにおいしい投資がこの世の中にはあるんだぞと。家族は懐疑的であったが、実際にこれだけ稼いでいるんだという証拠を見せると、黙った。そして数週間に及ぶ説得の結果、家族にもいいものだと理解してもらい、老後資金から10口だけ投資をしてもらうこととなった。もちろん私は守銭奴ではないので、紹介でもらった10万円分のギフトカードの半分は家族にプレゼントした。富はちゃんと分かち合わないとね。きっと5年後には感謝してもらえるに違いない。今日はとてもいいことをした気分だ。

突然の行政処分、にわかに立ち込める暗雲

それから1年ほど経過したとき、みんな大家さんが突然の行政処分を食らったとのニュースが世間を騒がせることとなった。正直何を言っているのかよくわからなかったが、この1年間の配当とギフトカードで大家さんへの信頼は天元突破しており、公式から問題ないとの声明が出たので、それを信じた。この辺りから詐欺じゃないかとか開発は本当にしているのかといった雑音が出てくるようになったが、すべてを無視した。なぜならちゃんと配当を2年近くも払っており、詐欺だったらそんなことができるはずがないからだ。

家族からも当然のように問い合わせが来たが、大丈夫だから私を信じてといい、説得した。この1年間いい思いをしていたし、ギフトカードも還元したのに、こんなニュース一つでびびるなんて、これだから投資初心者は・・・。それに暴落したときこそ買いという言葉があるくらいだし、逆に今投資するチャンスかもしれない。きっと偉い人が言ったのだろうから正しいのだろう。

そしてその後も投資を続け、気づけばオルカンはすべて解約し、みんな大家さんの投資額は3500万に上った。それから1年ほどたち、毎月配当もしっかり払われているので安心しきっていたその時、事件が起こった。

突然の配当停止を発表

この報告を聞いたとき、たまたまだろうと思った。公式でも来月はちゃんと配当を支払いますといったので、それを信じた。世の中はとうとうポンジスキームが破綻しただの、空港開発予定地はいまだに更地だの、好き勝手いっているが、私はこんなことでは揺らがない。不安をあおる声は雑音であり、真の投資家は自分の信念に基づいて正しい行動を選ぶからだ。

家族からの問い合わせがあったが、すべて無視をした。来月になれば配当が再び入り、安心するだろう。その時私の脳裏には来月払われなかったらどうしようという不安が渦巻いていたが、あえて無視することにした。

そして翌月になっても配当は振り込まれなかった・・・。解約しようにも、解約すらできない。1年待ちって何を言っているんだ。もしかしてだまされたのだろうか。家族からの電話に出る勇気すらない。どうしてこうなったのだろうか。残されたのは数百万の現金のみ。オルカンを持ち続けていれば今の資産は4000万優に超えていただろう。この失敗を糧にして取り返さなければ・・。そういえば次は障碍者コミュニティへの投資があったな。なんでも公共事業だからもらいっぱぐれはない安全安心の事業らしいな。残った数百万では心元のないので、どこかから資金調達をしないとな・・・。